大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(う)3950号 判決

被告人 黒沢栄四郎

〔抄 録〕

弁護人の論旨第二点について。

原判決が本件犯罪の日時を昭和二十八年十月十八日午後七時頃と記載し、その証拠として渡辺義康に対する司法警察員の第一、二回供述調書及び平田義二に対する司法警察員の第一回供述調書をその他の証拠と共に挙示しているに拘らず被告人が本件犯行により逮捕されたのは昭和二十八年十月八日午後七時十五分であること及び渡辺義康、平田義二に対する司法警察員の供述調書なるものは記録に存しないことは所論の通りである。よつて記録を精査すると原判決に犯罪の日時として昭和二十八年十月十八日午後七時頃と記載したのは、昭和二十八年十月八日午後七時頃の誤記であり、証拠の標目として渡辺義康、平田義二に対する司法警察員の供述調書と記載したのは渡辺芳康、平田芳二に対する司法警察員の供述調書の誤記であることが明らかである(尤も渡辺芳康に対する司法警察員の第二回供述調書の前書には渡辺芳衛とあり、平田芳二に対する司法警察員の第一回供述調書の前書には平田義二とあるも、いずれも供述者の署名に照し前者は渡辺芳康、後者は平田芳二の誤記と認める)。而して判決書中犯罪の日時及び証拠の標目は極めて重要な部分であるから、一個の判決書中かかる重要な部分に数ケ所の誤記の存することは裁判の威信のため甚だ遺憾なことではあるが、しかし誤記であることが明らかである以上これを以て事実の誤認又は理由不備として原判決を破棄する理由とはならないから論旨は結局理由がない。

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